★カシオ EX-V7で撮影された動画を携帯動画変換君etcで変換する
公開日 2007.06.30
最終更新日 2007.07.12
written by fashi
CASIO EXILIM EX-V7で撮影したQuicktime動画は携帯動画変換君に読ませるとエラーになってしまいます。また、動画編集ソフトによっては読み込めても音声がノイズまみれになってしまったりします。(よく「H.264だからダメ」と言う人がいますがH.264は全く関係ありません。H.264のせいではなく、Quicktime形式の音声の扱いに不備があるのだと思います)
ちなみにQuicktime Pro 、QT Converter 、MPEG Streamclip 、TMPGEnc 4.0 XPress などのQuicktimeリーダー経由でファイルを読み込む編集ソフトでは問題は起きません。
素直に上記の編集ソフトを使えばいいのですが、ここではフリーかつ比較的ユーザーの多い携帯動画変換君(やTMPGEncフリー版、AviUtl等)で読み込めるようにする方法を紹介します。
<前提>
まずQuicktime 7以降が導入されていることが大前提です。Quicktime 6では映像部のH.264がデコードできません。もちろん無料版で大丈夫です。iTunesを導入している方は一緒に入っているはずです。
Quicktime Alternativeの場合は1.81以降なら多分大丈夫でしょう。(そもそもQuicktime AlternativeにはMOVのスプリッタやDirectShow Filterが入っているのでこんな回りくどいことをする必要はなさそうですが)
Quicktimeが嫌いということでffdshow等でデコードしたりしている玄人さんは自力で何とかして下さい。
動作確認はWindows XP Pro SP2 / Windows 2000 SP4 で行いました。2000/XPなら多分大丈夫でしょう。ただし64bit版はプラグインが無いのでダメだと思います。
<AviSynthのインストール>
スクリプト言語で動画編集ができるAviSynthを導入します。既に導入されている方は読み飛ばして下さい。環境が汚れるからソフトのインストールはイヤだと思う人は諦めて下さい。
Projectページ から「AviSynth 2.5」をDownloadします。執筆時点とバージョンが変わってなければ、2.5.7をクリックした先の「Avisynth_257.exe」です。
直リンク:http://jaist.dl.sourceforge.net/sourceforge/avisynth2/Avisynth_257.exe (注:直リンクでも必ずHTMLページが挟まれます)
ダウンロードしたらダブルクリックしてインストールします。英語ですが「I Agree」→「Next」→「Next」→「Install」といった感じでNextを押して行けばなんとかなるでしょう。インストール時の設定は弄らなくていいです。
図入りの説明がこちらのサイト (AviSynth Wiki)にあります。インストールの説明 (同)もあります。
<Quicktime Import Filter(QTSource.dll)の導入>
AviSynthでQuicktimeムービーを読み込むためのQTSourceプラグインをインストールします。
こちらのフォーラム で公開されています。
[UPDATE 2006-01-09]
v0.0.5a
http://www.tateu.net/software/dl.php?f=QTSource
Source Code http://www.tateu.net/software/dl.php?f=QTSource_src
となっているところの、srcじゃないほうをクリックすると「QTSource_0_0_5a_bin.zip 」というファイルがダウンロードできると思います。
適当なアーカイバやWindowsの機能でQTSource_0_0_5a_bin.zip を解凍すると、「QTSource.dll 」と「QTSource_usage.htm」が入っています。(今時「〜.dll」のファイルが見えないっていう環境設定の人は居ませんよね…)
「QTSource.dll 」をAviSynthのプラグインフォルダにコピーします(もちろん移動してしまって構いません)
普通にAviSynthがインストールしてあれば、C:\Program Files\AviSynth 2.5\plugins\ フォルダになるはずです。 普通じゃない環境の方は適当に読み替えて下さい。
<avsファイルの記述>
AviSynthはスクリプト言語なのでテキスト形式で記述します。
メモ帳などで、
QTInput("ファイル名", audio=true)
return last
と書いたファイルを適当な名前+「.avs」拡張子で作ってやればそれで終わりです。
もちろんファイル名にはEX-V7で撮影した動画ファイルのファイル名を指定します。
一応説明すると audio=true は音声を取り込むという指定です。return last はまあなくてもいいかも…
あとはこのavsファイルを携帯動画変換君にD&Dすればそれで変換できてしまうはずです。(若干待ち時間が発生しますが正常です)
エラーが出る場合は何かがおかしいです。たったこれだけのことなのでちょっと分かりかねます。すいません。
<avsファイルを簡単に作成する>
いちいち動画ごとにavsファイルを作成するのはかなり面倒なので一括で作成できるソフトを用意しました。
mov2avs.vbs (右クリックから名前をつけて保存で)
うまくダウンロードできない人はmov2avs.zip をダウンロードして解凍して下さい。
vbsファイルはVBScriptプログラムです。WinXPならそのまま実行できたはずです。Win2000の場合はWindows Script 5.6 あたりを導入すれば実行できるのではないかと思います(未確認)
チェックが厳しいウイルス対策ソフトを導入していると警告が出るかもしれません。中身はテキストなので、メモ帳などで開けば怪しい処理がないか等確認することもできます。
ちなみにダブルクリックしてもエラーメッセージが出るだけで何も起こりません。
適当な場所に置いて、このファイルに撮影動画ファイルをD&Dします。(ダブルクリックして出てくるダイアログにD&Dするのではなく直接ファイルにD&Dします)
なお、同名ファイルが存在した場合は上書きされます。
動画で説明
なお生成されたavsファイルは元ファイルを参照しているため、元のファイルの名前を変えたり削除したり移動したりすると読めなくなるので注意して下さい。
<補足>
携帯動画変換君にはもうひとつAviSynthを利用してファイルを読み込む方法が用意されています。
Avisynthを使用して読み込む - MobileHackerz Knowledgebase Wiki にあるAVS_Skelton.avsを使う方法です。
# 3GP_Converter AVS-Mode skelton
QTInput("<%InputFile%>", audio=true)
return last
という、仮に「AVS_Skelton_MOV.avs」というテキストファイルを作成してcoresフォルダに保存し、
3GP_CONVERTER.iniに
[Avisynth]
Ext0=WMV:\cores\AVS_Skelton.avs
Ext1=WMA:\cores\AVS_Skelton.avs
Ext2=ASF:\cores\AVS_Skelton.avs
Ext3=MOV:\cores\AVS_Skelton_MOV.avs
のように追記すると、以降は拡張子MOVのファイルは全部QTSource経由で読み込むようになります。
ですがこれをやると何もする必要のないQuicktime形式のファイルまで余計な時間がかかってしまうようになるし、携帯動画変換君でしか使えないのでオススメしません。
<携帯動画変換君以外のソフトで利用する>
AviSynthは結構メジャーなので各種動画編集ソフトで扱えます。VirtualDub やらAvivo Video Converterなんかではそのままソースファイルとして読み込めるはずです。(VirtualDubはチェック用にも使えますね)
国内の動画編集ソフトだとVFAPIに対応していたりすることがあるので、VFAPIでAviSynthが読めるようにすれば良い感じです。
VFAPIでAviSynthが読めるようにする方法もいろいろありますが、DGMPGDec(DGIndex)を導入するのがてっとり早いです。本来はDVD2AVIを発展させたMPEG-2読み込みツールです。
DGMPGDec MPEG1/2 Decoder and Frame Server
直リンク:http://neuron2.net/dgmpgdec/dgmpgdec149.zip
適当な場所(インストールしたい場所)に解凍して一度起動すればそれで使えるようになるかと。
TMPGEncフリー版やAviUtlでavsファイルが開けるようになります。
TMPGEncの有料版では環境設定でVFAPIプラグインを有効化して下さい。
<エラー事例>
・映像に赤字で「Unable to Initialize Quicktime Environment」という文字が入っていた
→ Quicktimeがインストールされていません。
<更新メモ>
2007/07/12 Super© 最新版(v2007 build23、7/4リリース)、MP4Cam2AVI (v2.71、6/7リリース)などでADPCM音声の扱いが改善され、AviSynthを経由しなくてもEX-V7の動画が直接変換出来るようになっていることを確認しています。ソフトウェア側で対応が進んでいるようですね。携帯動画変換君も対応してくれるといいですねえ…
板
(´-`).。oO(Quicktime形式じゃなくMP4形式で撮れるようにならんものか… AACのライセンスとかあるからダメなのかな…)